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2.非現実話法(1)

非現実話法 − 接続法(2)式 −

単に空想されたものにすぎず、現実には存在しないこと、あるいは事実に反することを表現するには、接続法(2)式を用います。

(1) 「もし.....であれば、......なのだが」というように、事実に反することを条件として想定し、そこから導かれる結論を述べる表現があります。
これは「もしも.....であれば」という仮定の副文と、「.....なのだが」という推論の主文から作られ、いずれの文にも接続法(2)式が用いられます。

Wenn ich Zeit hätte, ginge ich mit dir ins Kino. (暇があれば、君と映画に行くのだが)<現在>

Wenn ich Zeit gehabt hätte, wäre ich mit dir ins Kino gegangen. (暇があったら、君と映画に行ったのだが)<過去>

時制が現在の場合、結論の部分は「würde + 不定形」でも表現できます。話法の助動詞、sein、haben 以外はこの書き方が普通です。

Wenn ich Zeit hätte, würde ich mit dir ins Kino gehen.

接続法の動詞を文頭に置けば、 wenn を省略できます。

Hätte ich Zeit, ginge ich mit dir ins Kino.

Hätte ich Zeit gehabt, wäre ich mit dir ins Kino gegangen.

(2) 仮定の副文が独立して用いられる場合、実現不可能な願望、愚痴の表現になります。

Wenn sie doch käme! (彼女が来てくれればなあ)

Wenn es morgen doch Freitag wäre! (明日が金曜日ならばなあ)

(3) 仮定の副文なしに主文が独立して用いられる場合があります。仮定の部分は前後関係から判断できる場合もあれば、主文に含まれている場合もあります。

Für seine Freundin würde er alles tun. (ガールフレンドのためなら彼は何でもするだろう)

Ich hätte es nie erlaubt. (私だったらそれを決して許可しなかっただろう)

fast, beinahe をともなうと「あやうく.....するところだった」の意味になります。

Das Kind wäre fast ertrunken. (その子供はもう少しで溺れるところだった)

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