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3 冠詞と名詞の格変化 後半

5 名詞・代名詞の3格(間接目的格)



★ 3格の複数名詞は Kindern のように語尾 -n がきますが、Frauen や Autos のように語尾 -(e)n または語尾 -s をつけて複数形をつくる名詞は変わりません。






3格の用法

① 目的語を2つ取る動詞の間接目的語になる

 geben(与える)schenken(プレゼントする)zeigen(見せる) などの動詞の間接目的語として用いられ、日本語の「…に」に対応します。




 

3格・4格目的語の語順

⒈ 人称代名詞は必ず名詞の前に:Ich gebe ihm das Buch.「彼にその本を渡します」、Ich gebe es dem Mann.「その男性にそれを渡します」

⒉ 4格の人称代名詞は必ず3格の人称代名詞の前に:Ich gebe es ihm.「それを彼に渡します」

⒊ 3格の名詞は原則として4格の名詞の前Ich gebe dem Mann das Buch.「その男性にその本を渡します」


  


② 3格目的語のみを取る動詞の目的語になる




helfen(人3を手伝う)gehören(1は人3のものである)gefallen(…1は人3の気に入る)は3格の目的語を取りますが、日本語の「…に」には対応しません


 

③ 前置詞の目的語になる

 mit, zu など「3格と結びつく前置詞」や in, auf などの「3格または4格と結びつく前置詞」の目的語になります。日本語の「…に」には対応しません






6 名詞・代名詞の2格(所有格)




2格の用法

① 名詞の修飾語になる

 日本語の格助詞「…の」に対応し、後ろから名詞を修飾します。





② 前置詞の目的語になる

 trotz, während, wegen など「2格と結びつく前置詞」の目的語になります。日本語の「…に」には対応しません





7 冠詞類と人称代名詞の格変化のまとめ  

 

ポイント

 ① 1格と4格の形が異なるのは男性だけ。中性、女性、複数は1格と4格は常に同じ形。

 ② 女性は3格と2格も同じ形。

 ③ 不定冠詞と mein 型は男性1格、中性1・4格の2か所(上の表の△の所)に語尾がない。

   定冠詞類と不定冠詞類の違いはこれだけで、あとは共通

● 名詞の格変化のバリエーション

Studenten(大学生)、Kollegen(同僚)、Herren(紳士、…さん)のように、語尾 -(e)n をつけて複数形を作る男性名詞は、単数4格・3格・2格にも語尾 -(e)n がつきます。しかし、Herr の単数4格・3格・2格は、Herrn のように複数形の語尾 -en ではなく、語尾 -n がつきます。


ポイント

 ① 3人称の人称代名詞で1格と4格の形が異なるのは男性だけ。

 ② 2人称敬称の Sie の変化は3人称複数のsieと同じ。ただし3格・4格の場合も大文字で書き始める。


        ↙︎英語の my や his のような意味はありません。「私の」「彼の」は所有冠詞の meinsein です。

★ 人称代名詞の2格2格の目的語をとる動詞の目的語になりますが、今日ではこのような動詞はほとんど使われないので省略しました(=覚える必要はありません