キーセンテンス (第11課を参照: 接続詞) |
Als der Krieg aus war, kam der Soldat nach Hause. |
戦争が終わって、兵士が帰ってきた。 |
1 Als der Krieg aus war, kam der Soldat nach Hause. | |
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…した時に / (定冠詞) / 戦争 / 終わって /…であった // 来た / (定冠詞) / 兵士 / …へ / 自宅 | |
戦争が終わって、兵士が帰ってきた。 | |
ポイント: | 前半の文の war は、動詞 sein「である」の3人称単数過去形で、文末に置かれています。なぜなら、als は「従属の接続詞」てあり、従属の接続詞から導かれた文、つまり「副文」では、人称変化させた動詞は、文末に来るからです。後半の文は主文で、その文の kam は、動詞 kommenの3人称単数過去形で、主文の先頭に置かれています。なぜなら、副文が主文の前に来たら、人称変化させた動詞は、主文の先頭に来るからです。 |
応用: | Krieg は副文、Soldat は主文の主語です。両方とも男性名詞であり、der も両方とも男性1格の定冠詞です。aus は「終わって」を意味する副詞で、nach
Hause は「自宅へ」「自国へ」「故郷へ」を意味する成句です。 als は過去における事象を示すのに用いるので、動詞はふつう過去形と過去完了形に限られています。また、als から導かれた副文はふつう主文の前に来ます。次の例文を挙げます。 主語が両方とも男性名詞: „Als der Unterricht aus war, kam der Student nach Hause.“ 「授業が終わって、学生が家に帰ってきた」 主語が両方とも女性名詞: „Als die Prüfung aus war, kam die Studentin nach Hause.“ 「試験が終わって、女子学生が家に帰ってきた」 主語が両方とも中性名詞: „Als das Spiel aus war, kam das Kind nach Hause.“ 「試合が終わって、子供が家に帰ってきた」 |
2 Aber er hatte kein Brot. | |
しかし / 彼は / 持っていた / (否定冠詞) / パン | |
でも、その兵士にはパンがなかった。 | |
ポイント: | 前置詞 aber は文の語順に影響を与えないので、人称変化させた動詞は aber の直後に来ることはありません。aber のような接続詞を「並列の接続詞」と呼びます。 |
応用: | この文の hatte は動詞 haben の3人称単数過去形です。Brot は中性名詞なので、kein は中性4格の否定冠詞です。 なお、次の並列の接続詞もしっかり覚えて下さい。例文を挙げます。 „Denn ich hatte keinen Wein.“「なぜなら、私にはワインがなかったからです」 „Und sie hatte keine Zeit.“「そして、彼女は時間がなかった」 „Oder er hatte kein Brot.“「それとも、彼にはパンがなかった」 |
応用: | 次の従属の接続詞もしっかり覚えて下さい。例文を挙げます。 „Weil der Krieg aus ist, kommt der Soldat nach Hause.“ 「戦争が終わったので、兵士が帰って来ます」 „Der Soldat kommt nach Hause, weil der Krieg aus ist.“ 「兵士が帰って来ます。なぜなら、戦争が終わったからです」 „Dass der Soldat nach Hause kommt, weiß ich nicht.“ 「兵士が帰って来るということを、私には知りませんよ」 „Ich weiß nicht, dass der Soldat nach Hause kommt.“ 「私は知りませんよ、兵士が帰って来るなんて」 „Wenn der Krieg aus ist, kommt der Soldat nach Hause.“ 「戦争が終わると、兵士が帰って来ます」 „Der Soldat kommt nach Hause, wenn der Krieg aus ist.“ 「兵士が帰って来るのは、戦争が終わってからです。」 |
3 Da sah er einen. | |
するとその時 / 見た / 彼は / 一人の(男)を | |
その時、彼は一人の男を見かけた。 | |
語順: | da は目立たせるために文頭に置かれています。 |
応用: | この文の sah は、動詞 sehen の3人称単数過去形です。不定代名詞 einen は、sah の目的語で男性4格です。ここでは、einen の内容を具体的に示す名詞が文脈の中にないので、einen は「ある男を」「一人の男を」または、「ある人間を」「一人の人間を」を意味します。 ドイツ語では、「その時、彼は一人の女性を見かけた」と言う時には、 „Da sah er eine.“ という言い方になります。 |
4 Der hatte Brot. | |
その(男)は / 持っていた / パン | |
その男はパンを持っていた。 | |
応用: | この文の der は男性1格の指示代名詞。この指示代名詞は、前文の einen にかかっているので、der は der Mann「その男は」を短縮した言い方です。この文の Brot
は不定分量を表す「物質名詞」なので、目的語としては無冠詞になるのがふつうです。 ドイツ語では、「その女性はパンを持っていた」と言う時には、 „Die hatte Brot.“ という言い方になります。 |
5 Den schlug er tot. | |
その(男)を / 殴った / 彼は / 死んでいる | |
その男を兵士は殴り殺した。 | |
語順: | 目的語 den は目立たせるために文頭に置かれています。 |
応用: | この文の „schlug ... tot“ は分離動詞 totschlagen「殴り殺す」の3人称単数過去形です。動詞 schlagen「打つ」「叩く」の過去形は
schlug です。den は男性4格の指示代名詞で、den Mann を短縮した言い方です。次の例文を挙げます。 目的語が女性の場合:„Die schlug er tot.“ 目的語が子供の場合:„Das schlug er tot.“(子供 „Kind“ は中性名詞) |
6 „Du darfst doch keinen totschlagen“, sagte der Richter. | |
君は /…してもいい / …ことだよ / 一人の(人間)もないを / 殴り殺す // 言った / (定冠詞) / 裁判官 | |
「人を殴り殺すのは許されないことです。」と裁判官が言いました。 | |
語順: | この文の sagte は、動詞 sagen の3人称単数過去形です。„Du darfst doch keinen totschlagen.“ は sagte の目的句であり、文頭に置かれています。主語 der Richter は動詞の後ろに来ています。この目的句は引用句で、引用句や引用文は „...“ というように引用符で囲まれています。もし引用句が文頭に来たら、閉じる引用符の後ろには „...“, というように、コンマを打ちます。 |
応用: | darfst は、話法の助動詞 dürfen の du に対する現在形です。この文の keinen は男性4格の否定代名詞で、keinen
Menschen「一人の人間もない」を短縮した言い方です。dürfen は否定を表す語句を伴う場合は、「…してはいけない」を意味します。この文の
doch は、主張を強調する役割を果たします。次の例文を挙げます。 „Du darfst doch keinen Wein trinken.“「ワインを飲んではいけないでしょ」 „Du darfst doch nicht allein ins Kino gehen.“「一人で映画に行ってはいけないでおしょ」 |
応用: | Richter は男性名詞なので、der は男性1格の定冠詞です。この文の der Richter が文頭に来たら、Der Richter sagte: „Du darfst keinen totschlagen.“ というように、動詞の後にコロンを打ちます。その場合、引用句の文頭に置かれている単語の頭文字が常に大文字になり、閉じた引用符の前にピリオドを打ちます。 |
7 „Warum nicht?“ fragte der Soldat. | |
何故 / ない // 尋ねた / (定冠詞) / 兵士 | |
「どうしていけないのですか?」と兵士が尋ねました。 | |
語順: | この文の fragte は動詞 fragen の3人称単数過去形です。„Warum nicht?“ は fragte の目的句であり、文頭に置かれています。主語 der Soldat は動詞の後ろに来ています。この引用句は疑問文なので、閉じた引用符の前には、„ …?“ というように、疑問符があり、閉じた引用符の後ろには、コンマは打ちません。 |
応用: | Soldat は男性名詞なので、この文の der は男性1格です。Soldat は「男性弱変化名詞」であり、1格単数以外は、語尾 -en
がつきます。次の例文を挙げます。 3格単数:„Geben Sie dem Soldaten das Brot!“「このパンをその兵士に渡して下さい」 3格複数:„Geben Sie den Soldaten das Brot!“「このパンをその兵士たちに渡して下さい」 4格単数:„Da sah ich einen Soldaten.“「その時、私は一人の兵士を見かけました」 4格複数:„Da sah ich Soldaten.“「その時、私は兵士たちを見かけました」 |