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3-2.名詞の格変化

(1) ドイツ語と英語の違い

ドイツ語と英語との大きな違いの一つは、ドイツ語に格変化というものがあることです。
英語ではどの名詞が主語で、どれが目的語かは、名詞が置かれた位置で判断します。

The king loves the queen.

たとえば上の文章では<king>は主語になりますが、これは<king>が文頭におかれているからです。したがって、<king>と<queen>の位置が入れ替わると、意味も変わります。

The queen loves the king.

この文章では主語となるのは、<queen>です。
ドイツ語ではこうしたことは生じません。

[1] Der König liebt die Königin.

[2] Die Königin liebt der König.

いずれの文においても、主語となるのは<König>です。なぜなら<König>の前には定冠詞<der>がついているからです。<der>は男性名詞につけられた場合には1格であることを表し、この定冠詞がついている男性名詞はどこにおかれようと主語になるのです。

(2) 何格を使うか?

文章の主語になる名詞は1格です。
では動詞の目的語はどの格がなるのでしょうか?これは動詞によって異なります。
辞書で動詞をひけば、その動詞が何格の名詞を目的語にとるかが書かれています。
辞書をよく読んでください。
たとえば、lieben(愛する)という動詞を辞書でひくと、<j4>あるいは<人4>の記号があるはずです。これは目的語4格をとることを示しています。ですから、「その少女はその学生を愛している」という文は、中性名詞である<少女>が主語ですので、das Mädchenが主語になります。また目的語は男性名詞の<学生>で、動詞<lieben>は目的語4格をとりますので、<den Studenten> となります。これらを一つの文にしますと

Das Mädchen liebt den Studenten.

になります。

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