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3.3 序論と結論

序論では、まず聴衆の注意を引きつけ、発表を聞こうという気持ちになるような開始部分を考えます。トピックに関連することがらで、驚くような情報を示したり、聴衆が話し手に対して親近感を持つような体験を語ったり、聴衆に質問を投げかけることで聴衆自身にも考えてもらったり、といろいろな出だしがあります。その出だしから、発表の中心的内容を端的に示した主題文の提示につなげます。さらに、本論でどのような話をすすめるのかを予告します。この予告は地図や図面という比喩も使われます。これから知らない場所を旅する場合は、事前に地図で現地での道順を確認しておくと、現地に行ったときに迷わずに進めます。家を建てるときに設計図を先に作ってから、実物の建設に取り掛かれば作業が円滑に進むでしょう。家を見学する場合も、図面で先に部屋の配置を確認しておくと、現場で見て回る時に便利でしょう。序論において本論の構成の予告をすることは、このような現地に対する地図や設計図の関係があります。

結論では、本論の内容を振り返り、聴衆の記憶にとどまるような工夫をします。本論で理由を述べて、そこから導かれる「結論」を初めて述べる、ということではありません。単純な結論部分の内容は、本論の要約と主題文の言い換えになります。さらに工夫をすれば、最後に聴衆の心に残るような表現で締めくくることができれば効果的です。出だしと呼応する話や、聴衆への問いかけ、名言の引用などで結ぶことが考えられます。